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ロンドンの旧型二階建てバス、運用が激減

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ロンドンを象徴する旧型の二階建てバス、AECルートマスター。2005年の引退以降も一部が動態保存され、15系統の定期運用にも就いていましたが、3月1日をもって大幅に運用を縮小してしまいました。

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以前このブログでも紹介しましたが、AECルートマスターは現在15番のバスで運行されており、同系統のTower HillからSt. Paul'sとAldwychを経由してCharing Crossまでの区間を走っています。しかし、3月1日までは毎日運行だったのが、翌日から夏季の土休日の昼間のみに削減されました。今年の運行計画では9月末までとなっていますが、来年以降についてはまだ明確に出ていません。なお、毎時3本という運行間隔は変わっていません(時刻表)。


運用削減の理由については、以下の4点が主に挙げられます。

(1) 運行コストの高騰
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最も大きな理由はコストです。まず、古い車両なので燃費も悪く、メンテナンスに金がかかる。そして、このバスには車掌が必要なので、人件費も余分にかかります。現在AECルートマスターの運行はStagecoach社が担っており、ロンドン交通局は相当の補助を出しているのですが、交通局自体が財政上極めて厳しい状態にあります。
また、乗客数は減少して運賃収入は低迷しています(確かに普段はガラガラだった)。高コストのバスなのに運賃は他の路線と同額に抑えられているので、元々無理があったのでしょう。このバスは大赤字で観光客のために走らせているだけに過ぎない…ということを、交通局も明言しています。

(2) 排ガス規制
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50年以上前の車だから致し方ないのですが、現在の排ガス規制に全く適合していません。近年はロンドンの大気汚染が危険なレベルに達しており、市はかなり強硬な対策を講じようとしています。AECルートマスターは特例で運行を認められているのですが、走らせにくい理由の一つになっていることは間違いないでしょう。

(3) バリアフリー不適合
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このバスは見ての通りバリアフリーに適合していません。なお、二階建てが問題なのではありません。乗降口にステップが無く、室内が狭くて車椅子を留める場所がないのが問題なのであります。イギリスは日本に比べてバリアフリー化が進んでいませんが、バスは例外で車椅子の人にとっては数少ない移動手段です(地下鉄が使えないならバスしか残らない)。そう考えると、AECルートマスターは困った存在と言えましょう。

(4) 輸送力不足
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所謂「ニュールートマスター」と言われる新型バスに比べると、AECルートマスターは全長が短く詰め込みが効きません。ラッシュ時間帯を中心に通勤客からは苦情が出ており、これも平日の運行を取り止める原因の一つでしょう。


今回の運行本数の減少で、所要台数が1つ減りますので、余剰車の動向が少々気になります。残留・譲渡・廃車と3つの可能性がありますが、多分予備で残留するでしょう。ただ、今後更に運用が減る可能性は高く、先行きは少々不透明です。個人的には多分引き取り手が現れるだろうと思っていますが…。

電車にせよバスにせよ、動態保存車といえども末永く安泰とは限りません。今のところロンドン交通局はAECルートマスターの全廃には言及していませんが、来年以降は夏休み期間など季節限定の運行にする可能性も十分あります。気軽に見て乗れる日はそう続かないと思った方が良いかもしれません。


なおロンドン交通局の公式発表についてはこちらをご覧ください。
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