FC2ブログ

「旧型車両」というものは…

鉄道趣味というのは、究極的には「将来無くなるもの」を追いかける趣味だと言えると思います。撮り鉄の場合、「この車両は将来無くなるだろう」ということを必ず意識するものです。そのことを全く考えずにカメラを握っている人は、皆無だと断言して良いでしょう。古い車両に人が集まるのも道理であります。
しかし、そういうものを見て喜ぶのは、基本的に一部のオタクだけというのもまた事実であります。


古い車両というものは、当然ながら老朽化が進んで乗り心地等が悪くなっているものですし、また設計が今の時代に合わないことも多くあります。前者の場合は、走行時に軋む音が目立ったり、不快な衝動が頻繁に発生したり、すきま風が入ってきたり、クーラーから水が漏ったり…。
私が一時期文句を言っていたのは北総の7260形で、足が遅く乗り心地も悪いこの車両には辟易していたものでした。被写体としては人気の高い車両でしたが、都営浅草線を毎日使う身にとっては大外れでした。これが引退するころには浅草線を使わなくなりましたが、やっと消えてホッとした記憶があります。


設計が今の時代に合わない例としては、最も分かりやすいものだと非冷房車が挙げられます。1970年代以前は都市部でさえ非冷房の車両が多かったようですが、1990年代以降は大半が冷房付になりました。しかし、北海道や東北の一部では未だに冷房のない車両が走っています。これらの地域は夏でも比較的涼しく、本来窓を開ければ十分なのですが、近年はそうもいかなくなっています。今月の北海道は最高気温が35℃前後にまで達する日もあり、北の大地でもクーラーが必需品となりつつあります。


冷房以外にも、座席の設計、和式トイレ、環境に優しくない走行機器など、時代に合っていない部分は多くあります。最近私が特に気になったのは、中央線の115系300番台。この車両は国鉄時代から続く青と白の塗装が人気でしたが、内装は編成によって違いがあり、写真のようにリニューアルされていない場合は辛いものでした。一番きつかったのはボックスシートの間隔で、頑張って詰めても前の人と膝がぶつかり、結局4人席に2人しか座れなかったことすらありました。この時はかなり混んでいたので、ちょっと心苦しく思いました。115系が登場した頃は、日本人の体格が今より小柄だったのかもしれませんが、それから半世紀が経った現代では明らかに時代遅れでありました。


古い車両の時代遅れな点というのは、どうもなかなか表現しにくいのですが、先日徳島で「ああ、これは一目で分かるかな」と思える1枚が撮れました。徳島運転所で入換中のキハ185系で、かなりの白煙を上げているのが分かります。気動車だとこれくらいの煙を吐くのは当たり前という気もしますが、最近製造された1500形等はずっと煙が少ないですから、キハ185系は随分環境に優しくないと言えます。隣にいるキハ40系よりはデビューが10年ほど若いものの、両方とも製造から30年以上が経過した国鉄車両。現代の車両と比べると、その差は当然ながら歴然としています。

旧型車両というのは、たまに乗ったり撮ったりする分には楽しいものですが、毎日のように利用する客からはありがたくない存在です。普段使う方々は、乗り心地が悪い・足が遅い・気動車なら排ガスがものすごく多いボロ車両程度にしか思っていないでしょう。これを毎日運転し、保守点検を行なうスタッフからしても、性能が悪くて手間がかかる車両はさっさと引退させたい…というのが本音でしょう。また、ランニングコストや維持費が高くつくので、経営者にとっても頭が痛いのではないかと思います。
結局のところ、旧型車両というものは趣味で鉄道の周りをうろつく一部のオタクにしか珍重されず、基本的には大半の人から敬遠されているというのが事実であります。いすみ鉄道みたいに動態保存レベルまで行けば別ですが、ああいうのはあくまでも特殊な例。ある特定の層のオタクは、すぐに保存保存と大声で喚きますが、パソコンやスマホの画面だけではなくてもう少し現実を見るべきだと思う次第です。
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

KHKQ

Author:KHKQ
横浜→東京→多摩→倫敦
京急を中心に広く薄く撮影
鉄道趣味はお休み中

カテゴリ
JR (5)
検索フォーム
カレンダー
08 | 2018/09 | 10
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
最新記事
最新コメント
アクセス数カウンター