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ロンドンから南東部への通勤電車

昨年撮った写真を見返してみたところ、ブログに上げそびれていたものがチラホラあることに気づきましたので、今更ながら落穂拾いと致します。今回のテーマは、ロンドンと南東部ケントなどを結ぶ通勤電車です。

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ここで取り上げるのは、2004-05年に製造されたクラス376電車。ボンバルディアが1999-2017年に各地へ投入した電車7形式(エレクトロスター・シリーズ)の1つで、5連36本180両が製造されましたが、これはスタンステッド空港発着列車に投入されたクラス379電車に次いで2番目に少ない数です。クラス375電車をベースとしていますが、通勤電車ということでトイレと冷房は無く、分割併合運用が無いことから前面は非貫通となっています。
ロンドンのCharing CrossやCannon StreetからDartfordやHayesを結ぶ列車の他、当エリアの循環線を走る各駅停車を中心に運用されており、ロンドンでは2本繋げた10両編成を組むのが主となっています。

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この車両、個人的にはかなり撮影に苦労した車両でした。例によって障害物がなく太陽がきちんと当たった写真を撮りたかったのですが、まず撮影地を探り当てるのが大変でした。ロンドン南部や南東部はぶっちゃけ評判のよろしくない土地ということもあり、ほとんど馴染みが無いからというのが最大の理由です。
クラス376はそもそも在籍数が少ない上に、固定運用とはいえ循環線のどちら側を回るのか把握が簡単ではないというのもネックでした。この循環線というのはちょっと曲者でして、(いつもの)遅延により駅の発車案内は更新が追い付かず、車両の行先案内表示は消灯していて、どの列車がどこに行くのかさっぱり五里霧中というのも日常茶飯事。自分の意図とは全く違う駅に連れて行かれたこともありました。

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この地域ではクラス465あるいは466電車が圧倒的に多く、8両編成がメインかと思いきや、4+4+2で10両編成を組むこともあるため、発車案内の編成両数から運用を識別するのも容易ではありませんでした。これらの国鉄形電車も決して悪くは無いのですが、さすがに少々飽き飽きしたのを覚えています。
クラス376は別にラッシュ時のみの運用というわけでも無かったのに、予想外に手間がかかってしまい、ようやく1枚撮れた時はやれやれと首を振ったことも覚えています。

そもそもCharing CrossとCannon Streetという、ロンドンではかなり影の薄いターミナル駅を発着している時点で、地味な電車の印象を拭えないクラス376。しかし、あの国にしては珍しく投入から20年近く塗装が変わっていない(つまり原型をほぼ保っている)ので、ちょっと関心があったのです。もうこの電車を見る機会は無いと思うので、とりあえずまずまずの記録が出来て一安心でした。

ロンドン近郊やユーロスターの撮影地リスト+α

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新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっている現在、私も多くの方々と同じく外出できない日々が続いています。そんな中何かないかと探してみたところ、だいぶ前にロンドン近郊の鉄道写真撮影地をまとめていたことを思い出しました。

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イギリスには最新鋭の特急形から保存車両に至るまで、魅力的な被写体が多く走っておりますが、撮影地に関する情報は日本と比較するとかなり少ないのが現状です。これは言語の壁が問題なのではなく、在英鉄道ファンのうち99.9%は写真の撮り方を全く理解していないからです。
イギリス在住の撮り鉄が撮影する写真は、逆光やどんより曇った汚ならしい写真はもちろん、編成の後ろ半分が構図からはみ出していたり、車体に障害物がグサグサ刺さっていたりするものも嬉々としてアップしており、完全に救いようのない状態となっております。ごく稀にきちんとした写真があると思って見てみれば、日本から休暇で遊びに来たファンだった…というのがお決まりのパターン。

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ロンドンに1年余り住み、結局撮影地はゼロから自分の足で探さなければいけないということを悟り、順光の編成写真コツコツと撮り溜めました。で、自己満足の目録ではありますが、「KHKQの順光撮影地備忘録」と名付けてアップロードしてみました。「順光」と言いながらチラホラ地下区間が入っているのはご愛敬。どれだけの需要があるかは分かりませんが、日本からの鉄道ファンでロンドン近郊の電車をオーソドックスな方法で撮りたい方にとって、少しは役に立つのではないかと思っています。

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ちなみにこの備忘録、実は帰国直前にまとめてアップしていたのですが、何故今までブログに載せなかったかというと、ホームページを立ち上げてそちらで紹介する計画があったからです。しかし、思った以上に面倒くさく時間が取れず、年度が明けた今頃になって思い出した次第です。
最近はずっと在宅でやることも少なくなっており、ホームページ作成に手を出そうかと考えていますので、いずれは撮影地リストも載せることが出来るかと思います…たぶん。

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そういえば1年足らずで数百枚集めた郵便ポストの写真も有効活用したいなぁ…せっかくエドワード8世の分も何枚かあるんだし。これもホームページのネタに出来ないかなぁ…。

また一つ消えゆく客車列車

新型コロナウイルスの感染拡大により、外出がしづらい今日この頃。ただでさえ花粉やら春先特有の曇り空やらで出かけるのが億劫な時期なのに、いつにも増して溜め息が出ます。そんな中、以前撮った写真を見返したところ、どうやらまだブログにアップしていなかったものを幾つか見つけましたので、今回は久々に英国の話題です。

日本ではほとんど姿を消した客車列車ですが、イギリスでは長年ロンドンを含む主要都市で主力として運行されてきました。しかし、近年はロンドン発着分を中心に新型電車・バイモード車両への置き換えが進んでいます。
今回取り上げるのはGreater Anglia社が運行する定期客車列車で、年明けより新鋭クラス745電車の投入が本格的に始まったことから、間もなく運行を終了する予定です。

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同社の客車列車は、グレート・イースタン本線(Great Eastern Main Line, GEML)のLiverpool Street~Ipswich~Norwichにて運用されています。使用車両はクラス90電気機関車とマーク3客車で、同区間を30分間隔で走る速達列車に充当されています。ビュッフェ車も連結されているし、日本で言えば特急に近いかな。

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この路線はロンドン近郊だと、光線の兼ね合いもあって撮影地が恐ろしく少ないのがネックで、とりわけ上り方に連結される機関車側を撮るのは苦労しました。クラス90電気機関車は現時点でこれが唯一の定期旅客運用となっています。

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下りのNorwich側はDriving Van Trailer(制御荷物車)が先頭に立ちます。DVT自体はさほど珍しいものでは無いとはいえ、やはり前後両方の顔を押さえておきたいと考えたのであります。

運行終了後の車両は、クラス90が貨物に転用されるほか、Grand Central社による西海岸本線の新列車(Euston~Blackpool North)に充当される予定です。ただ、GC社は東海岸本線で余剰になるインターシティ225のマーク4客車を牽かせるとのことで、マーク3客車は廃車になるでしょう。

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マーク3客車自体は、Chiltern Railwaysや他の地方路線で当面は残ります。しかし、長年動力集中方式がメインだったイギリスにおいても、動力の近代化は徐々に進んでいるのです。全廃はまだまだ先だとしても、ロンドンで手軽に撮るのは、今後少しずつ難しくなっていくでしょう。


ところで、6月に渡英する際にクラス745電車も含めて幾つか写真を撮りたいと考えていたのですが、昨今の新型肺炎の感染拡大に鑑みて、どうも渡航そのものが取り止めになる可能性が高そう…ちょっと落胆しております。

列車遅延の払い戻し…やっと届いた小切手

帰国してから6週間余りが経ちますが、今一つ体調の優れない日々が続き、ここ1週間風邪で寝込む日々が続いております。通院など、必要最低限の外出しか出来ないのがもどかしいです。


さて、すっかり10月も終わりに近づき、イギリスに住んでいたことなど忘れかけていたのですが、ウェールズ旅行の帰りに巻き込まれた遅延の返金が よ う や く 届きましたので、今回はそのお話。

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英国の鉄道は定時運行率がとても低い…これは周知の事実であります。中でもVirgin Trains社は、トラブルが多くてフォローアップのサービスが非常に悪いことで有名です。スタイリッシュで目を引く車両に騙されてはいけません。
イギリスのナショナルレールは、多くの会社がDelay Repayと言われる返金システムを導入しており、30分以上の遅延に対しては一定割合の運賃を乗客へ払い戻すことになっています。会社側はそれを免れるべく、29分45秒遅れに留めようとあの手この手を打ちますが、それでも30分を超えることはしょっちゅうあります。

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ウェールズ旅行の帰り道、Bangor→Crewe→Eustonと乗り継いで帰る際、Creweから乗った列車が大幅に遅延。私は不穏な空気をいち早く察知して、座席指定券を捨てて1本早い便に乗ったのですが、それでも30分以上の遅延。本来私が乗ることになっていた列車は1時間以上遅れてロンドンに着いたのでした。

翌日、Euston駅で払い戻しについて一応尋ねてみると、「切符の額面に記載の通り、つまり本来あなたが乗るはずだった列車で申請を出しなさい」とのことだったので、インターネット上で払い戻し請求を指示通りに提出。
この時点では「28日以内に返金致しますが、通常は8営業日程度で完了します」と書いてありました。そんなに早く返事が来るなんて期待せずにそのまま帰国。

Virgin Reply
ところが、小切手が届くのは無理でも、さすがに2週間強で何かしら通知が来るだろうと思いきや、なかなか連絡が来ず。10月1日にようやくメールが入り、忘れられていなかったようだと少しホッとしましたが、文章を読んでムカッ。お客様に多大なご迷惑をおかけしておきながら、このアメリカ人的なノリの軽さは一体何様のつもり???

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そして例によって、肝心の小切手がなかなか届かない。メールの文章を私の英語力で読む限り、少なくとも10月第1週には発送されそうなものですが、届いたのは何と10月19日(ということは発送は11日前後)。払い戻し請求から実に43日もかかりました。「28日」っていうのは何だったのでしょうね?

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このご時世、外貨の小切手を日本国内で換金するのは非常に困難で、更に高額の手数料もかかります。しかし、今はスマホで写真を撮って銀行アプリから口座に入金することが出来まして、私の場合も無事に処理することが出来ました。郵送する手もあるようですが、やはりこちらの方が圧倒的に楽です。
鉄道に限らず何かの返金というのは留学後もしばらく発生することがあるので、現地の銀行口座は可能な限り手元に残しておきたいところです。


こんな感じで一連の騒動はようやく終結。Virgin Trainsは非常に評判が悪く、払い戻し請求を放置し続けて行政が介入したこともあるほど。今年末でフランチャイズ契約は終了し、運輸省から次の入札に参加すらさせてもらえなくなったので、このクソ会社は鉄道業界から姿を消すことになります。しかし、会社を替えたところで根本的な部分は同じですから、この手の面倒事は今後も長く続きそうですね…やれやれです。

私が1年という短い期間に申請して勝ち取った返金は他にもたくさんあるので、折を見ていずれ記事に致しましょう(笑)

旅先での気動車と客車列車

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帰国してから早1週間余り、留学先での最後の日が割とバタバタしていたためか、正直なところ8日前までイギリスに住んでいたということが信じられないくらいで、もう随分遠い昔のように感じられます。このままだと2週間前に行ったウェールズ旅行の時に撮った鉄道写真も載せる機会が無くなりそうなので、若干賞味期限切れな感はありますが、ここで幾つか覚え書き程度に書いてみることにします。


ウェールズを走るナショナルレールは、公営のTransport for Walesが2018年10月から管轄しています。ウェールズではカーディフ近郊を中心に電化工事が進んでいるものの、例によって計画から大幅に遅れており、未だに気動車中心となっています。また数は少ないものの、客車普通列車の姿を見ることも出来ます。
なお、この記事では形式別に分けましたので、撮影した駅はCardiffだったりLlandudnoだったりと一定しません。また、Great Western Railwayなど他社の車両については割愛しました。悪しからずご了承ください。


【1. 気動車列車】

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Cardiff Central駅を行き来する列車を見て気づいたのは、Pacerと呼ばれる軽快気動車が数多く運用されていることです。こちらはクラス142気動車で、6月にスコットランド方面を旅行した際にNewcastleでも見かけた車両です。見るからに安普請という感じのするチャチな造りをしています。

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それと同時期に製造された姉妹形式、クラス143気動車。写真の通り、通常の気動車と併結する運用もあるようです。イギリスを走る鉄道車両は今年末までにバリアフリー化するよう法律で求められていますが、Pacerシリーズについては各社とも改造工事を施工せずに廃車とする方針で、Transport for Walesも各車両の側面に引退告知のラッピングを施しています。Pacerはどれも乗り心地が恐ろしく悪いので、乗客は皆一様に歓迎していることでしょう。

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Pacer以外だと、Sprinterシリーズの気動車も多く運用されています。こちらはSprinterの元祖、クラス150気動車。ウェールズ全域で運用されており、北部まで含めれば多分最も頻繁に目にした形式だと思います。

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クラス153気動車。単行運転が出来るので、利用客の少ない路線では重宝しそう。但し、元は2両編成のところを短編成化改造を施したので、後付けの運転台は狭苦しいと乗務員からの評判はよろしくないそうな。Sprinterシリーズでは、他にクラス158気動車も走っています。

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こちらは主に都市間輸送に充てられるクラス175気動車。イギリスには日本のように普通や特急といった種別が存在しませんが、強いて言えば特急に近いポジション(でも座席の質は急行)。旅行で最も頻繁に乗ったのはこの形式でした。

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クラス175や153の中には、グレーを基調とした新塗装になったものもチラホラ現れ始めました。厳密に言うと、塗装ではなくラッピングらしいですが…次の検査の時にきちんと塗り直すのでしょうか?


【客車列車】

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最近勢力縮小が目立つマーク3客車も、ウェールズでは少数が運用されています。こちらはPremier Serviceという名のついた列車で、CardiffとHolyheadを結んでおり、停車駅の少なさからして特急列車と呼んで差し支えないかと思います。牽引機はクラス67ディーゼル機関車で、平日に1往復運行中。今年末には、東海岸本線で余剰になったマーク4客車が転入する予定です。

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それとは別に北部でも同じ車両を使用した普通列車が少数ながら運行されており、Manchester PiccadillyとHolyheadあるいはLlandudnoなどを結んでいます。こちらもクラス67機関車が牽引しており、折り返しは制御荷物車(Driving Van Trailer)が先頭に立った推進運転も行なわれています。

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さて、この旅行で一番見たかったのは、今年5月に走り始めたクラス37ディーゼル機関車+マーク2客車の普通列車です。前者は1965年製、後者も製造後40年を軽く超える古い車両です。既存車両のバリアフリー化工事に伴い車両が不足することから、14年ぶりに定期運用が復活したとのこと。

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現在運用に就く機関車のうち2両は国鉄色、客車も大半が国鉄色なので、日によってはこのように全車塗装が統一された美しい編成を組むことも。1960年代末期~1970年代を彷彿とさせる姿で、まさか2010年代も終わりに本線でお目にかかる機会があろうとは、全く想像も出来ませんでした。

このオンボロ客車列車は、平日の朝夕に2運用あり、「当面の間」運行される予定となっています。経年のせいで頻繁に車両故障を起こしているようですが、2020年までは当地に残る見込みです。


Transport for Walesの車両は、クラス67を除いて2023年までに全てが新車に置き換えられる計画となっています。クラス175は製造後20年余りなので他社に転属すると思われますが、Pacerシリーズは全廃まで秒読み、クラス37+マーク2客車は元々新車が来るまでの繋ぎ、マーク3客車とSprinterシリーズもその頃には製造後40年近くに達しますので、廃車の発生が見込まれます。どうせ計画通りに新車が入らないでしょうけれども、5年後にはウェールズもすっかり様変わりしていることでしょう。曇天の下で旅行ついでにテキトーな写真を撮るだけしか出来ませんでしたが、結構楽しく記録をすることが出来ました。
プロフィール

KHKQ

Author:KHKQ
横浜→東京→多摩→倫敦
京急を中心に広く薄く撮影
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