2つのパンドラの箱

久しぶりにこのコーナーへ記事を投稿します。また、普段は扱わない「デリケートな問題」について、個人的な備忘録、メモを兼ねて少々書いてみようと思います。
はじめに、あくまでこれは私個人が勝手に呟いているだけに過ぎないことをご理解願います。


イギリスのEU離脱の是非を問う国民投票が昨日実施され、結果は賛成が51.9%を占めました。各種世論調査では賛否拮抗も残留がわずかに優勢、ブックメーカーでは残留予想が圧倒的でしたが、結果は離脱。その影響は直ちに世界中に波及し、結果判明時に市場が開いていたアジアから株価は暴落。日経平均株価は終値で1286円(7.92%)の下落、ポンドは一時20円以上(15%近く)も円高に振れるなど大荒れの展開になりました。

個人的には、離脱という結果が出たのはちょっと意外でした。離脱派は勢いを増していたとはいえ、結局は残留で落ち着くだろうと踏んでいたのですが、物の見事に外れました。今朝はニュースで開票作業を見ていたのですが、予想外に残留票が伸びませんでした。開票結果は概ね「残留支持の多い地区→離脱支持の多い地区→接戦の地区」の順に判明するという報道がありましたが、序盤から残留が伸び悩み、先が思いやられると呟いていたところでした。蓋を開ければ約4%差…ちょっとショックです。
今回の結果に繋がった理由はいろいろありそうですが、移民はこの問題の表層~中層に過ぎず、根底にはソ連崩壊から続く一連の流れがあるだろう…という見解は大変興味深いところです。これから様々な分析や識者の見解が出てくることでしょうから、それを待ちたいと思います。

この結果を受けて、EU離脱の機運が域内の各国に飛び火するのはほぼ確実な情勢で、他にも国民投票を実施する国が出てくる可能性があります。
もっとも、仮に今回残留と出たところで、EUの弱体化は避けられなかったでしょう。このような前例を作ってしまえば、EUが重要な政策を打ち出す際に、加盟国から国民投票という揺さぶりをかけられる事態は十分に考えられるところです。いずれにせよ、欧州統合は再び後退に転じていたのは間違いなし。統合が進めば拡散するというのは、歴史が示してきたところでもあります。
ただ、今回の結果は衝撃が強すぎました。まさにハードランディングです。

イギリスは民主主義の発祥の地であり、世界で最も民主主義が成熟している国であります。イギリスの国の将来はイギリス国民が決める話ですから、当然この結果は尊重されなければなりませんし、我々がこれを大々的に非難する資格はありません。しかし、イギリスはパンドラの箱を開けてしまいました。欧州統合への致命的なダメージを与え、もしかしたら取り返しがつかないかもしれません。

次に懸念されるのは、スコットランドの独立問題が再燃することです。既にスコットランド自治政府のスタージョン首相が、イギリスから独立してEUの加盟国となることを求める旨を述べています。スコットランドが独立したところで経済的に自立できるのかという疑問はありますが、今回の国民投票の結果を見ると、独立しないと断言することは到底出来ません。既にEU離脱の騒ぎによって体力が落ちていますから、2014年の時と比べて影響は大きくなるでしょう。
仮にスコットランドが独立となれば、再び様々な問題が起きます。その中でも最も懸念されるのは、先進国の中における独立運動が他国に飛び火することで、ベルギーやスペインといった国が分裂に至る可能性は十分にあります。これが第二のパンドラの箱。日本にとっても無関係ではなく、沖縄の独立問題が出てくるかもしれません。我が国では、今のところ沖縄独立は全くと言っていいほど話題になっていませんが、今後も単なる笑い話として一蹴することが出来るかどうかは怪しいところです。

イギリスは核保有国で常任理事国。国際政治の観点からも、極めて重要な国です。そのイギリスが衰えることで、ヨーロッパさらには国際社会のバランスが崩れることは想像に難くありません。西側諸国を中心としたロシアに対する抑止力も弱まるでしょうし、所謂ISILなどのイスラム過激派との闘いにも悪影響が出るでしょう。中国の東・南シナ海における活動にも影響が出るかもしれません。
最近の欧米諸国で渦巻くポピュリズムは、アメリカではトランプ大統領候補を生み、イギリスでは国民投票によるEU離脱の表明という結果を生みました。世界に大きな影響を及ぼす次の選挙はアメリカの大統領選挙…こちらもどうなることやら、今から冷や汗が出ます。

イギリスは今後2年間EUと交渉した後に離脱する見込みですが、EU法というものは極めて複雑で断片化が進んでおり、交渉は難航が予想されます。EU圏内の国々と貿易等に関する条約や取り決めを結ぶことになるのでしょうが、こちらも簡単に行くとは思えません。イギリスはタフでしたたかな国ですが、どこまで食い下がれるか懸念が残ります。これは双方にとって深刻な問題ですから、イギリスだけではなくEU自身も、自らの在り方について再考を迫られることになりましょう。
そして、今後のEUがどうなるかはまだ分かりません。イギリスに不利な形で交渉が進めば、逆に残った国々が結束する可能性もありますが…今の時点では専門家でも評価することが出来ないでしょう。


さて、我々がするべきことは何なのだろうと考えてみると、それほどパニックに陥る必要はないということが言えそうです。一時的に経済指標が悪化するでしょうが、拙速に自分の進路を慌てて変更して、結局あぶはち取らずになる…というのが最悪のパターン。イギリスのEU離脱による影響が世界中に広がるまでにはまだ時間がかかりますから、やはりここは腰を落ち着けてじっくり見つめるのがベストかと。

あとは、今のうちに世界地図を買っておくと良さそうですね。将来的にイギリスや他の国々がEUから抜けたり、色々な国が分裂した暁には、昔の地図を懐かしむ日が来るかもしれません。もっとも、そうなってしまえば世界中が更に混乱しますから、なるべくバラバラにならないよう祈るばかりであります。


繰り返しですが、これは現時点での私見を簡単にまとめただけのものです。あしからず。

あれから、5年

もうすぐ、東北地方太平洋沖地震から5年が経ちます。5年という月日は私にとっても長いような短いような、どうもよく分からない長さであります。まぁよく考えると、この期間に高校を卒業して大学4年間も通り過ぎていきましたので、そう考えると「短い」とはどうも言えないような気がします。


震災発生時のことは、勿論よく覚えております。地震発生の5分前、私は京急の電車を撮っておりました。600形606編成の更新出場試運転…普段から京急を撮っている方なら知らない人はいないでしょう。
あの時の私は高校を卒業したばかりで、初めて京急の試運転を撮れたと大喜びしていたのであります。

揺れが収まった後は、何とか家まで歩いて帰り、停電が復旧した夜遅くまではラジオで情報収集。その次の日にかけて、皆さんと同じくテレビで色々な映像を見ました。皆さんと同じく釘付けになりました。
当時の私が一番印象に残ったことは何かと言いますと、地震発生時の映像や津波襲来時の映像ではありません。日本という防災面では世界トップの先進国が、数日経っても全容を把握できていないことに衝撃を覚えたのであります。「東北から関東にかけての多くの検潮所でデータが入らず、現在津波の高さが分からなくなっています」「南三陸町では人口17000人のうち、10000人の安否が不明です」等々、メディアを通じて明らかになる被害というよりも、情報が掴めないということの方に恐怖を覚えたのでした。



ところで、私は2013年11月に、宮古市と釜石市を訪れる機会がありました。当然、そこでは色々と震災の爪痕を見せつけられました。その時の詳しい話はブログに書きませんでしたが、まぁ色々と考えさせられることがありました。ボランティア活動も立派なことで大変結構だとは思いますが、ボランティア活動では絶対に得られないようなものが見つかりました…と言っても、形あるものではありません。


釜石市内の漁港の近くを歩いていた時、非常に衝撃的なものを目にしました。この写真に写っていますが、この建物ではありません。壊れた建物よりずっと小さいけれども、ずっと重いものでありました。

空地に転がる無数の砂利をよく見ると、それは小さくなった陶器の欠片だったのです。今や完全にその辺の石ころと変わらなくなりましたが、あの日までは確かに誰かの財産であったのです。誰かが生活していた証が、今や粉々になって私の足元に積もっている…それに気づいた瞬間、眩暈というか、夏目漱石の言い方を借りれば「もう取り返しが付かないという黒い光」が、私の中を貫いて行きました。
これは、じっくりと思いを巡らせながらゆっくりと歩かないと、絶対に分からない感覚であると思います。


私が宮古・釜石両市を訪ねてから2年以上が経ち、さすがにもう少し街の再建が進んだのかなと思います。被災地の復興がなかなか進まないという話を新聞等で多く目にしますが、それでも少しずつながら前に進んでいる部分もあるようです。先日は、2020年春までに常磐線の全線復旧を目指すという発表がありました。震災直後は原発事故により被害状況がそもそも「調査不能」とされ、全線復旧は2050~2080年という予想すらあったくらいでしたが、何とか震災から10年経つ前に復活する目途がついたようです。原発政策を含め震災復興には難しい課題が山積していますが、少しは明るい兆しもあるようです。


震災のちょうど2週間前、私は仙台におりました。母に「スーパーひたち」で上野まで帰りたいと言ったところ、「大学生になってからいくらでも暇がある」一蹴されました。その2週間後に望みは一旦消えたものの、10年越しのリベンジが見えてきました。「スーパーひたち」はもう走っていないですが、復旧後に必ず常磐線を全線走破し、被災地の姿をまた見に行く…というのが、今のささやかな夢であります。

2016年1月22日

軽井沢・碓氷バイパスのバス転落事故から一週間が過ぎました。当局による調査で徐々に事故原因の解明が進みつつありますが、その後も続いて発生した観光バスの事故も併せて考えますと、産業構造に起因する問題が垣間見えます。様々な困難があるとは思いますが、悪質業者の排斥や一定の再規制等を通して根本的解決に少しでも近づき、このような事故が二度と起きないことを祈るばかりです。

ところで、インターネットでは某SNSや某掲示板を中心として本当に多種多様な意見が飛び交っております。近時の表現行為は、一方では誰でも情報を発信できる端末の普及により情報の流通量が飛躍的に増加して玉石混交―それも石が大半―となっておりますが、他方で匿名性故に自らの発言に対する責任という概念が相当に薄まっていると強く感じます。もっとも、これは大変に難しい問題であり、私の研究分野とはいえこれ以上申し上げることは致しません。学術論文でも何でもなくネット上の一頁に過ぎないこの場所では、私は改めて色々と深く考えさせられたと述べるに留めておきます。



さて、今日はこのブログの4周年でございます。いつもご覧いただいている皆様に、改めまして御礼申し上げます。昨年来、ホームグラウンドだったはずの京急から徐々に離れておりますが、今年は少々面白くなりそうな予感が致します。通学先が随分と京急から遠くなり、なかなか以前のようにサッと行ってサッと撮るというわけにもいきませんが、なるべく世間の話題について行けるように頑張りたいと思います。今後ともお引き立てを賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

お知らせ 第10号

1月15日未明に発生した軽井沢・碓氷バイパスのバス転落事故で亡くなられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げます。また、怪我をされた方々の一日も早い回復をお祈り致します。

諸々の整理が一段落するまで、ブログやツイッター等のソーシャルメディアはお休みします。

カメラの世代交代




2011年から鉄道を中心とする私の趣味活動を支えてきたLumix GF2。持ち運びしやすく、ポンとカバンに放り込んで何かを撮るのに適していました。
しかし、元々あまり撮り鉄には向かない機種であったのも事実。ファインダーは無いし、連写など無いに等しい遅さだし、画素数も画質も控えめ。鉄道写真にはちょっと苦しいカメラでした。まぁ初めからこんなものだと思っていれば、別に不満を持つことも無いのですが。
さらに、購入から5年近く経ち、少々経年劣化が目立つようになってきました。昨年湖西線で発生したシャッターユニットの不調などはまさにその典型で、高速シャッターを避けて使用する日々が続きました。しかし、これは根本的な解決にはならないのは言うまでもなく、早晩撮影そのものが困難になるのは目に見えていました。
他方、毎日のように何かしら軽く撮っていた学部時代と違い、これからは少ない頻度でドカンと多く撮るスタイルに移行することが予想されました。撮影回数自体は激減しているので、新機種に手を出すのは躊躇われる…というジレンマに陥りました。

そこで、知り合いの方から同じLUMIXのG6を譲って頂き、今日からデビューと相成りました。本当は先週から使いたかったのですが、私が風邪でダウンしてしまったので延期。今日いきなりぶっつけ本番で使い始めることになりました(笑)
ファインダーがあること、連写が出来ることなど、当たり前のことに一々感動。まだ試していない機能も多いので、追々マスターしていきたいところです。

さて、今日はちょっと遠出して電車を撮ってきましたので、明日その写真をブログに載せることに致しましょう。
プロフィール

KHKQ

Author:KHKQ
横浜→東京→多摩→倫敦
広く薄く撮影中、一応古巣は京急
SNS一覧
ウェブサイトはこちら

カテゴリ
JR (45)
検索フォーム
カレンダー
01 | 2024/02 | 03
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 - -
最新記事
アクセス数カウンター