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スコットランド紙幣 同じ国なのに違うお札の話

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日本では、日本銀行が発行した日本銀行券のみが強制通用力のある有効な紙幣として流通しています。日本国外を見ても、一般的には中央銀行の発行する銀行券が紙幣として使用されていますが、イギリスは少々様子が異なります。そして、これが稀にトラブルの原因になります。先日Edinburghに行った際、Bank of ScotlandとRoyal Bank of Scotlandが発行する紙幣を何枚か入手したので、その話をしてみたいと思います。

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現在イギリスで流通している紙幣の大半は、イングランド銀行が発行した銀行券です。国外で両替する際に使用されるのも、このイングランド銀行券。しかし、厳密にはイングランド領域内ですら法貨としての地位を有しておらず、強制通用力がありません。50ポンド紙幣の受け取りを拒否する例がしばしば見られるように、店側に裁量権が認められています。20ポンド以下の紙幣であればまず大丈夫ですが、実は店に受け取る法的義務はどこにもないのです。

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で、更に話をややこしくするのが、スコットランド及び北アイルランドの紙幣です。北アイルランド紙幣については見たことが無いのでここでは詳しく触れませんが、スコットランドではBank of Scotland、Royal Bank of Scotland、Clydesdale Bankの3行(民間の銀行)がそれぞれ違うデザインの紙幣を発行しています。概ね色調を合わせるなどして、混乱を避けようとする一定の配慮は見られるものの、デザインがまるで異なることが分かります。

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20ポンド紙幣に至っては、一番下のRoyal Bank of Scotland発行のものが特に古臭いデザインに思えます。それもそのはず、1987年から一度も変わっていないのです。私が以前イギリスに住んでいた16年前は、小額紙幣も似たようなデザインで識別に困難をきたしたものです。

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なぜスコットランドが独自の通貨を発行しているか…ごく簡単に言えば「歴史問題」や「地方自治」といった語に集約されます。スコットランドは1707年合同法によりイングランドと併合したものの、300年以上経った今なお分離独立運動が燻っています。彼らはイギリス人ではなくスコットランド人だというプライドを有しており、イングランドに全てを握られるのを良しとせず、紆余曲折を経て紙幣発行の権限を持つに至りました。

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で、当然ここで一つの疑問が浮かびます。すなわち、「紙幣流通量はいかにコントロールされているのか?」という問いです。複数の紙幣発行機関が乱立し、それぞれが好き勝手にお札を刷ってしまっては、すぐにインフレを招くことになります。
その答えは、「当該3銀行が、発行額と同じだけのイングランド紙幣を保管すること」と定めた法律。これによってスコットランド紙幣は、イングランド紙幣によってきちんと裏打ちされています。言い換えると、英ポンド全体の流通量は、イングランド銀行の統制の下で一定に保たれているわけです。

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で、ここからが最も重要なのですが、スコットランド紙幣は全国で通用しますので、イングランドでも基本的に問題なく使えます。セルフレジもきちんと認識しましたし、店員も大抵は文句を言わずに受け取ってくれます。しかし、受け取り義務はないので支払いを拒否されることがあります。先日、とある日本スーパーで20ポンド紙幣を使おうとしたら「そのお札偽物かもしれないでしょ」と言われて拒絶されてしまいました。日本人にしては珍しいまでに無礼な言葉遣いで、こちらもちょっと頭に来ましたが、受け取りの法的義務は無いので仕方ありません。私は16年前も含めて数十回はイングランドでスコットランド紙幣を使いましたが、拒否されたのはこれが唯一です。ちなみに、別の日に日本人の美容院で差し出したら嫌な顔一つせずに受け取ってもらえました。

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ちなみに入手方法ですが、イングランドだと所謂「ボーダー」と呼ばれる北のはずれは別として、ほとんどお目にかかる機会はありませんので、一番手っ取り早いのはスコットランドに行くことです。10ポンド及び20ポンド紙幣については非常に容易で、Bank of ScotlandあるいはRoyal Bank of ScotlandのATMでお金を引き出せば、高確率で出てきます。5ポンド紙幣はATMから出てこないので、どこかで買い物してお釣りに期待するしかありません。50ポンド紙幣及び(イングランドにはない)100ポンド紙幣については、支店に直接問い合わせる必要がありますが、手にしたとしても使うのが著しく困難かと思います。お土産に取っておくには額が大きすぎるし…。

先日の旅行では、スコットランド紙幣を並べて写真を撮ってみたかったのですが、残念ながらBank of Scotland発行の5ポンド紙幣及びClydesdale Bank発行の紙幣を見ることは出来ませんでした。そして、今はみんな基本的にカードで生活しているので、写真を撮った後に使う機会がなかなか無くて消費に苦労しました(笑)
北アイルランド紙幣も見てみたいですが、残念ながらあちらに足を運ぶ機会は無さそうです。


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ちなみに硬貨は全国共通です。万一受け取りを拒否されたら、失効している旧硬貨か偽造硬貨であることを疑いましょう。機械の場合は単に調子が悪いだけかもしれませんが。


※参考
Scottish and Northern Ireland banknotes - Bank of England
What is legal tender? - Bank of England


Forgery and Counterfeiting Act 1981(1981年模造及び偽造に関する法律)の規定に基づき、紙幣の写真を一部加工しました。

ソールズベリーへ

昨日はソールズベリーに行きました。この町はロンドンから南西におよそ130キロ余りの場所にあり、ストーンヘンジへの玄関口としても知られています。他にも、マグナ・カルタが展示されている大聖堂が有名な上、昨年はロシア人の元スパイたちが化学兵器によって攻撃され、無関係の市民が死亡する事件で世界中にその名が知れ渡ってしまいました。

この町は16年前にも訪れているのですが、この時はストーンヘンジやストーンサークル(環状列石)を見に行くのがメインでしたので、今回は町に焦点を絞って見物することにしました(今回は車も無かったし)。

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南西部への列車はWaterloo発で、管轄の鉄道会社はその名もSouth Western Railway(今も昔も定時運行率が低いエリアです)。往きは例によって汽車が2本運休になったので、当初計画より1時間10分ほど遅れてSalisburyに着きました。日中は毎時2本走っているので、まだ被害は少ない方でしたが、やれやれといったところです。

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駅からは10分ほど歩いて中心部へ。City centreを歩くと町の規模が何となく分かるのですが、随分小さいなぁという印象でした。それもそのはず、後で調べたら人口は4万人余りでした(Cambridgeは12万5千人)。

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さて、まずやって来たのは大聖堂。ここも改修工事中で足場が組まれており、一部が閉鎖されていました。私が足を運んだ大聖堂や教会は大半が工事中なんですよね(笑) 

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で、毎回同じことばっかりやっているように見えますが、ここでもタワー見学ツアーに参加しました。このように天井を裏側から眺めるだけでも結構面白いものです。今回は私以外にはドイツ人の子供連れだけで、全部で5人だけの小さなツアーでしたから、ガイドの方も交えて楽しくお喋り出来ました。

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ヨーロッパの建物は全部石造りだと思いがちですが、実際には木材も結構な量が使用されています。パリのノートルダム大聖堂が燃えた時は、「え、石で出来ているのにあそこまで激しく燃えるの?」と思った方も多かったようですが、天井の重量を抑えるために木材を使うのは珍しい話ではないのです。

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タワーのツアーに参加すると、時計と鐘のメカニズムも見ることが出来ます。私は小さい頃から時計が大好きだったので、こういうのを見ると今でも嬉しくなります。この機械は電動ですが、それでも1800年代後半に造られた古いものです。15分に1回、中の機械が大きく動いてワイヤーを引っ張り、その先のハンマーが鐘を打ちます。

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塔に登る最大の目的は、高ーい場所から町を見下ろすことです。見渡す限りの…というほどではないものの、このように広がる平原を眺めるのは気分爽快です。普段ロンドンという汚くてうるさい街に住んでいるから尚更です。

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反対側は市街地が広がっています。最近ではロンドンから列車で1時間強の地域だと高層マンションをバカスカ建てているのが目立ちますが、Salisburyはもう少し離れているのでまだ魔の手が及んでおりません。

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さて、この大聖堂の最大の目玉、マグナ・カルタ。イングランド国王の権限を制限するべく1215年に作られた文書で、イギリス内外の近代市民革命に大きな影響を与えました。私の専門分野はこの文書に大きく関係しているので、ぜひしっかり見ておきたかったのです(前回来た時は10歳だったので、あまりありがたみが分かっていませんでした)。

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本物は光に当たって退色するのを防ぐため、このように暗い場所で展示されています。マグナ・カルタの写本はこれを含めて4本残っていますが、群を抜いて保存状態が良好なのはこのSalisburyのもの。他にLincolnにある大聖堂所蔵のものも16年前に見た記憶がありますが、折り目が付いたりインクが退色していたりと、状態はあまり良くなかったです。なお、大英図書館は2つ持っていますが、こちらも保存状態は悪く、1つは黒焦げになっています。

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大聖堂で相当の時間を取ってしまったので、後半戦はだいぶ駆け足に。近くのMompesson Houseをザッと見学しました。こういう雰囲気の良いお家の中を見物するというのも悪くないもので、横浜の山手に幾つかある西洋館よりはずっと面白いと思います(その代わり入場料取るけど)。

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最後は路線バスに乗ってOld Sarumへ。ここは新石器時代には既に人が住んでいたとか、ウィリアム1世は950年ほど前にこの地に城を築いたとか、いろいろなことが説明板に書かれていました(雑な要約でごめんなさい)。ここにお城があったのだろうということは、このように堀の跡があることからも分かります。

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城の内部については特筆すべきことはありません。1年半ほど前に訪れた今帰仁城を彷彿とさせましたが、Old Sarumの方がずっと小規模です。何やらゴウモンの器具も脈絡なく展示されておりました(笑)

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平原に向かって伸びる1本の小道…山が多い日本でも探せばどこかにありそうな光景ですが、植生が違うせいか雰囲気は全然異なります。16年前、両親に連れられてこの地方の田舎を回った思い出が蘇りました。
ところで、のんびり見えるこの場所にも、ちょっとドッキリするものがあります。ここの平原には陸軍の演習場がありまして、地図を見るとDanger Zoneと書いてあるのです。道路を行くと戦車の絵と共にTank Crossingと書かれた標識が立っています。まあ砲弾が道路に落ちてくることはめったにないので安心なのですが(でもこの間はドローンを落っことしたらしい)、最初に見た時は家族全員でギョッとしたのを覚えています(笑)


日が長いのでついつい長居しがちですが、帰宅する時間(と夕食のこと)を考えて、6時前の汽車で帰路に就きました。今回のお出かけは子供の頃に行った場所を再訪するものでしたが、大人になってから来るとやはり全然違って見えますね。鮮やかな感動というものはもう無いのですが、その代わりに歴史など別の視点からじっくり味わうことが出来ました。

Salisburyは比較的外国人観光客が少ない場所らしく、今回は驚いたことに中国人観光客を1人も見かけませんでした。ストーンヘンジを見に行くのも良いですが、ぜひ町自体を見物してみてください…少なくとも大聖堂くらいは。

最近の撮影…日立の新車やら国鉄色のリベンジやら

鉄道写真撮影というのは、一般的に日差しが出ていないと話にならない趣味でありますから、晴れの日が多いシーズンに撮り貯めておくのは基本中の基本です。そして、夏至前後の最も日が長い時期は、それ以外の季節だと撮れない場所でも撮れるので、特に力が入ります。ということで、6月は旅行地下鉄を走った蒸気機関車以外にも合間にチマチマと枚数を増やしてきたので、その時の写真を例によってダラダラと並べていきます。


【1. グレート・ウェスタン本線】

この路線は冬場にちょろっとPaddingtonで撮っていたのですが、ようやく走行写真を撮る機会に恵まれましたので、朝と夕方の2回に分けて足を運びました。

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午前中は上り緩行線を走る普通列車がメイン。最近まで「ヒースロー・コネクト」と呼ばれていたTfL Railのクラス360電車です。クロスレール(エリザベス線)は当初計画からだいぶ経ったのに未だ開通には程遠く、いつになったら都心への直通運転が始まるのやら。

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この編成はヒースロー空港のターミナル間を結ぶシャトル列車に使われているヤツで、確かこの塗装は1本だけだと記憶しています。本線運用に出てくることもあるんですね(まあ当然っちゃ当然か)。

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緩行線にも一部の近郊列車(Great Western Railway…GWR社の列車)が走りますが、所定電車のところをクラス165気動車が代走しておりました。電化が完了したのに気動車代走が常態化しており、何のために電気を引いたのかという感が否めません。車両が足りないのか電力が足りないのか。

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夕方は逆に下り急行線の列車を撮影。今度は所定のクラス387電車がちゃんとやって来ました。ケンブリッジ近郊路線でお馴染みの形式ですが、側面が白い編成ばかり見てきたので、このように暗い色だと全然印象が違います。

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日立製の新型車両、クラス800…と言ってもデビューからもうすぐ2年経つので、すっかりお馴染みの存在であります。東海岸本線の方にはAzumaという愛称が付いておりますが、こちらはIntercity Express Trainsという無難な呼び方となっております。外見はまあまあだけど、私はAzumaの方が好きかなあ。

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ご存知ヒースロー・エクスプレス。GWR社の列車が大半を占める中で例外的な存在です。別に面白い被写体ではないけど、知名度が高いことだし1枚撮ってみた次第です。ちなみに運賃はどこからどう見ても異常なぼったくりなので、普通の人は絶対に乗りません。乗るのは無知な観光客くらいなものです。成田エクスプレスも似たようなものですけどね。


【2. 東海岸本線】

東海岸本線は今までに何度か撮っており、最近ではAzumaの営業運転初日にいそいそと出かけたくらいですが、今回の目的はインターシティ225の国鉄色。ちなみに所謂「ネタ車」の運用は公式ツイッターで教えてもらえるので、日本よりも一見狙いやすそうではありますが、遅延運休で頻繁にシャッフルされるので実際の難易度はあまり変わりません(苦笑)

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登場30周年と来年での運転終了を記念して施されたリバイバル塗装。塗り替えられたばかりの時に一度足を運んではいるのですが、せっかくなので順光で1枚欲しかったのです。例によって先頭1両だけというのが編成美を乱していて残念ですが、聞いたところによるとバリアフリー対応(色覚異常者のためにドアを目立つ色にしなければならない等)の規則がある以上、編成全部を昔の色に戻すのは難しいそうです。ちなみにLNER社は全部リバイバルにして客寄せに使いたかったらしい。

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こちらはその他大勢のInterCity 225で、来年の運用終了後は客車の一部が輸送力増強用にウェールズへ転属することは決まっていますが、写真先頭のクラス91電気機関車については先行きが少々不透明です。一応他の地域への転用も検討されており、幾つかの運行会社が関心を表明(コレとかアレとか)しているので、全廃を免れる可能性はまだあります。

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クラス800 (Azuma)は着々と勢力を拡大しています。現在はまだ固定運用で範囲も限定されていますが、今年末までにはスコットランドまで定期運用を拡大する予定ですから、ネッシーの故郷Invernessまで走るようになるのも遠い将来ではありません。最高速度は従来と同じでも、加減速度が高いので所要時間が大幅に短縮されるそうです。

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こちらはInterCity 125 (HST)で、環境負荷もどこ吹く風、相変わらず元気に凄まじい煙を吐きながら爆走しております。現在は225の方から置き換えが進められているので、HSTはまだ健在に見えますが、こちらも2020年5月までに全編成が置き換えられる予定となっています。

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第一線から撤退するHSTが目立つ一方で、転んでもただは起きないのがこの車両。Hull Trainsは、比較的新しいくせに不具合が絶えないクラス180気動車を放り投げて、GWR社のお古を使い始めました。所詮来年日立製の新車が入るまでの繋ぎとはいえ、しぶとく生きているなあという印象です。

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オマケはGreat Northernの中距離列車に運用されるクラス365電車。5月のダイヤ改正でケンブリッジにはほとんど顔を出さなくなってしまい、影は薄くなるばかり。インバーターの機器更新がされていないところを見ると、どうも先は長くなさそうな予感が致します。


こんな感じで、ちょっとした時間を活用してあれこれ撮り貯めております。冬は天気が悪くて全然カメラを握れませんでしたし、今のうちに枚数を荒稼ぎしている次第でございます(笑)

北国への旅 4/4 ちょろっと撮り鉄

さてさて、もう2週間近く経ってしまいましたので鮮度落ちも甚だしいですが、せっかくなので幾つか旅行中に撮った鉄道写真を載せたいと思います。普段と違って適当に駅のホームで停車中の姿を撮っただけなので、普段以上にお粗末なクオリティではありますが、まあ何も撮らないよりはマシだろうと考えてカメラを構えた次第です。

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Edinburghを行き交う列車を眺めていて一番驚いたのは、普通列車に平然と客車を使うこと。牽引機はクラス68という最新鋭の電気式ディーゼル機関車。ここは本線で頻繁に列車が走る区間ですので、加減速が電車や気動車に比べて鈍い客車列車を走らせるとダイヤの足枷になるだろうに、平日朝夕ラッシュ時に2本がお構いなしに運用されています。

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で、肝心の客車はマーク2という実に古い車両です。同形の中では最後に増備されたグループで、1973-75年に製造されました。冷房付でリニューアルもされているのですが、地方とはいえ都会の本線に堂々と乗り入れてくるのは少々意外に感じました。無理やり日本にたとえると、このご時世に12系客車の普通列車が仙台駅に来るようなものでしょうか。

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こちらは日立製の最新鋭クラス385電車。Edinburgh~Glasgowの普通列車は相当数がこの電車によって運転されています。Azumaに比べると知名度は低いですが、なかなか悪くない造りです。これらを運営するScotRailはスコットランドの国旗をモチーフにした塗装を採用しており、デザインが格好良いと思いました。

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Edinburghの路面電車。16年前に来た時は無かったので、今回初めて目にしました。7両編成ですが奇数号車にしか台車が付いていないという、日本では見ない構造となっています。運賃もそこまで高くないし、運行本数も日中7分間隔なので、結構便利だなと感じました。

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続いてNewcastleに移動。ここはTyne and Wear Metroという、地下鉄と郊外電車を一緒にしたような電車が走っており、電化方式がイギリス唯一の1500V直流となっています(日本では主流なのにね)。車両自体は1980年代のヨーロッパあるあるといった雰囲気の安普請でした(笑) 2024年に全廃計画が出ているらしいですね。

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安普請と言えば、いかにもバスの部品を多用しましたという外見のクラス142気動車も見かけました。ドアや窓の形状といい明らかに地方ローカル線用の造りで、JR西日本のキハ120形を思い出しました。クラス142は1985-87年に製造されましたが、バリアフリー非対応なので今年いっぱいで運用出来なくなるとのことです。全廃になるのかな?

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地方の中距離列車用に製造されたクラス156気動車。無理やり日本にたとえるとキハ40系のポジションでしょうか。この顔はロンドン以外でちょくちょく目にする機会があるものの、未だに乗ったことはありません。

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こちらはYorkで撮ったクラス155気動車。先のクラス156とよく似ていますが、よく見ると前面デザインに差異があるほか、側面のリベットといい窓の形状といい「客車をベースにしました」感丸出しです。

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メタリックな青緑色の塗装が美しいと評判のTransPennine Express。Yorkではクラス185気動車を見ることが出来ました。この会社の車両は順光で撮ると非常に綺麗に写るんだろうなあと思うのですが、運行エリアはロンドンから遠く離れた場所なのでなかなかお目にかかる機会がありません。

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最後はKing's Crossで並んだAzumaとInterCity 225。Azumaは徐々に数を増やし、確か今日の時点では7本が運用に入っています。InterCity 225は元々30本(+予備の端数)が在籍していましたので、既に2割以上が置き換わった計算です。まだAzumaの運用範囲が限定されているので、InterCity 225が減った感じはしませんが、来年の今頃はもうほとんど見る機会が無くなっているかもしれません。


旅行ついでだったので、いつもみたいに順光撮影地を吟味して云々することが出来ませんでしたが(そもそも晴れなかったし)、こうやってのんびり電車を眺めるのもたまには良いものだと思いました。他にも何枚か撮りましたが、それらはいずれ機会があったらということで。
おしまい

北国への旅 3/4 最早北国ではなく中部のヨーク

さてさて、地下鉄を走った蒸気機関車の話題を挟んでしまいましたが、旅行の話に戻します。

旅行最終日はヨークへ。エディンバラと同じく、ここも17年前に家族旅行で訪れて非常に楽しかった思い出があります。
ここも歴史的建造物が幾つかあり、そのために戦争ではドイツ軍による激しい攻撃に晒された町の1つでもあります。

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この町の特徴は城壁で、最初に築かれたのは紀元71年ですが、時代が下るとともに使われなくなり放置されるようになり、1800年には市街地の拡張に伴い解体する方針が決まります。その後、ヴィクトリア時代に一転して復元保存されることとなり、今はその上が遊歩道になっています。今では完全に町を囲っているわけではなく幾つかに分かれており、全周およそ3キロ余りとなっています。

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かつての城の本丸があったClifford's Tower。天井はとっくの昔に失われて完全に野ざらしですが、中に入っててっぺんに登ることも出来ました。眺めがまあまあ良い以外は特筆事項なし。

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すぐ近くにあるCastle Museumでは、18-19世紀の人々の暮らしを再現した部屋などがあり、とても面白い博物館でした。3分の1ほど見た時点で、17年前の記憶が急に蘇りまして、ものすごく懐かしさを覚えました。

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なぜこの博物館を鮮明に憶えているかというと、自動で動く人形劇の機械がものすごいインパクトだったからです。特にこれは、20p硬貨を入れるとイギリス最後の絞首刑を再現した劇が見られるのです。チリーンと鐘が鳴った後にガタンと音がして人形の首が折れる…9歳児に強烈な印象を与えたのでありました。

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再び城壁を歩いて目指すはYork Minster…まあ簡単に言えば大聖堂であります。この大聖堂も間違いなく来ているんだけど、記憶が全然無いなあ…「子供に大聖堂を見せても全部同じに見えるから意味が無いのよ」と友人のお母様は仰っていましたが、まさにそのパターンだったようです(笑)

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中は工事で足場だらけ…ということで、ステンドグラスを眺めるだけにして、塔に登ることにしました。上から町を見ると、赤い建物がやたら多いように感じましたが、何か理由があるのかしら。調べようと思いつつもそのまんま。

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少々残念だったのは、見学ルートを覆うように鉄格子が取り付けられていたこと。他の大聖堂や教会の塔にも柵は付いていますけれど、ここまですごいのはあまり見たことがありません。壁に錆がこびりついていて、歴史的建造物の保存という観点からはいかがなものかという気もします。

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気を取り直してCity Centreを一通り歩きます。このShamblesは上層階が斜めに突き出た建物が特徴で、地震の多い日本ではとても考えられない構造ですね。ハリー・ポッターに出てくるダイアゴン横丁のモデルになったとのこと。

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さて、今回の旅行におけるメインイベントの1つ、鉄道博物館にやって来ました。世界最大の鉄道博物館で、イギリスの鉄道を支えた蒸気機関車や客車を中心に、かなりの数の車両が保存されています。

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屋外のスペースにも、このようにテントを張って劣化を防ぐ措置がとられています。保存車両をいとも簡単にスクラップにするJR東日本の鉄道博物館やJR東海のリニア・鉄道館とは大違いです。あの連中は古い車両を解体することに専念するのではなく、どう活用するかを考えてもらいたいものです。

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そしてここには、0系新幹線の先頭車も保存されています。私が17年前に来た時はまだ新しい展示物で、「なぜイギリス以外の車両を展示するのか」と抗議の声も少なくなかったのですが、今ではすっかり馴染んでこの博物館の目玉となっています。老若男女問わず大人気で、いつもひっきりなしに見学者が訪れます。ちなみに、日本人の鉄道ファンは必ずこの構図で写真を撮るそうな(笑) 私も御多分に洩れず一枚シャッターを切りました。

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中にも入ることが出来まして、車椅子用に幾つか座席を外してあるほかは、基本的によく原形を保っています。ここで立ち話をしたイギリス人たちはみんな「50年前とは思えないモダンな造りだ」と言っておりましたが、私はそうは思わずむしろレトロで懐かしいという感想です。私は東海道新幹線で0系に乗ったことを覚えている最後の世代ですから、余計にそう思ってしまうのでしょう。イギリスの高速鉄道が日本や中国より30年遅れているというのも大きいでしょうが。


もう少し博物館を見ても良かったのですが、帰りの汽車の時間に鑑みてここでおしまいにしました。Castle Museumで予定以上に時間を取ったのと、疲労により歩くスピードがかなり鈍っていたことで、ちょっと物足りない結果になりましたが、それでも(バス代行を除けば)とても楽しい旅行でした。帰国前に泊りがけでウェールズ方面に足を伸ばしたいと考えているのですが、時間的制約により実現するかは不透明な情勢です。何としてでも行きたいんですけどねぇ。


最後は撮り鉄編です…今月中に公開できるかな?
プロフィール

KHKQ

Author:KHKQ
横浜→東京→多摩→倫敦
京急を中心に広く薄く撮影
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